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建設業の工程表の作り方|エクセルでのガントチャート作成手順

2026-07-01

建設業の工程表は、工事全体を工種ごとの作業に分解し、各作業の開始・終了日と順序を時間軸に並べて作成します。もっとも広く使われるのが横棒で期間を示す「ガントチャート(バーチャート)」で、表計算ソフト1つでも作れます。工程表は現場の段取り・人員配置・発注のタイミングを決める土台であり、遅れの早期発見にも欠かせません。本記事では、工程表の種類・作成手順・エクセルでのガントチャートの組み方・遅れへの対応・効率化の方法まで解説します。

工程表とは何か|建設現場での役割

工程表は、工事の各作業を「いつ・どの順番で・どれくらいの期間で行うか」を時間軸に沿って示した計画表です。役割は大きく分けて、①作業の順序と工期を可視化する、②人員・重機・資材の手配時期を決める、③協力会社との段取りを共有する、④進捗と計画のズレを把握する、の4つです。工程表がないと、後工程の準備が間に合わない、複数業者が同じ場所で重なる、といった段取りの混乱が起きやすくなります。

工程表は一度作って終わりではなく、進捗に合わせて更新しながら使う「生きた道具」です。天候や資材の遅れ、変更工事などで計画は必ずずれるため、実績を書き込み、遅れを早めに検知して手を打つことが重要です。

  • 作業の順序と工期を可視化する
  • 人員・重機・資材の手配時期を決める
  • 協力会社・職人との段取りを共有する
  • 進捗と計画のズレを早期に把握する

工程表の主な種類と使い分け

建設業でよく使われる工程表にはいくつかの種類があります。もっとも一般的なのが、横棒で各作業の期間を示す「バーチャート(ガントチャート)」です。作りやすく、誰が見ても直感的に分かるため、中小規模の現場で広く使われています。一方、作業同士の前後関係(依存関係)を明示したいときは「ネットワーク工程表(アロー型など)」が使われ、どの作業が全体の工期を左右するか(クリティカルパス)を把握しやすくなります。

他にも、縦軸に出来高(進捗率)、横軸に工期を取って計画と実績の進み具合を曲線で比較する「出来高累計曲線(Sカーブ)」があります。まずは扱いやすいバーチャートで全体を組み、規模や工程の複雑さに応じて他の手法を併用するのが現実的です。

  • バーチャート(ガントチャート):横棒で期間を表示。作りやすく直感的。中小現場で主流
  • ネットワーク工程表:作業の前後関係を明示。クリティカルパスの把握に向く
  • 出来高累計曲線(Sカーブ):計画と実績の進捗率を曲線で比較する
  • 使い分け:まずバーチャートで全体を組み、必要に応じて併用する

工程表を作る前の準備|作業の洗い出しと順序

いきなり表を作り始めるのではなく、まず「工事に必要な作業をすべて洗い出す」ことから始めます。仮設・基礎・躯体・内装・設備・外構といった工種ごとに、実施する作業を漏れなくリストアップします。見積書の内訳(工種)が、そのまま作業洗い出しの土台として使えることが多いです。

次に、各作業の「所要日数」と「順序(前後関係)」を決めます。所要日数は、作業量(数量)と1日あたりの出来高、投入する人員から見積もります。順序は「この作業が終わらないと次に進めない」という依存関係を整理します。たとえば基礎が終わらないと躯体に進めない、内装下地が終わらないと仕上げに進めない、といった関係です。ここを丁寧に押さえることが、実現可能な工程表を作る土台になります。

  • 作業の洗い出し:工種ごとに実施作業を漏れなくリスト化(見積の内訳が土台に)
  • 所要日数の見積り:作業量÷1日あたりの出来高で日数を算出
  • 順序(依存関係)の整理:先行作業が終わらないと着手できない関係を明確に
  • 余裕(バッファ):天候・検査・是正の予備日を組み込んでおく

エクセルでガントチャート(工程表)を作る手順

表計算ソフトでガントチャートを作る基本は、「縦に作業を並べ、横に日付(または週・月)を並べ、各作業の期間にあたるセルを塗りつぶす(またはバーを引く)」というものです。行に工種・作業名、その隣に開始日・終了日・所要日数の列を置き、右側に日付の列を横に展開して、期間に該当するセルを色付けしていきます。

手作業でセルを塗るほか、条件付き書式を使えば、開始日と終了日から自動でバーを表示させることもできます。上部にマイルストーン(着工・上棟・完了検査など)を置き、下部に予備日を設けると管理しやすくなります。まずは色を塗るだけのシンプルな方式で始め、慣れてきたら数式や条件付き書式で自動化していくのが無理のない進め方です。

  • 行:工種・作業名/列:開始日・終了日・所要日数・担当(協力会社)
  • 右側に日付軸を横展開し、作業期間のセルを色付けしてバーにする
  • 条件付き書式:開始日・終了日からバーを自動表示させることも可能
  • マイルストーン:着工・上棟・各種検査・完了などの節目を明示
  • 実績バー:計画バーの下に実績を書き込み、遅れを一目で分かるようにする

クリティカルパスと工程の遅れへの対応

工程管理で重要なのが「クリティカルパス」の考え方です。クリティカルパスとは、全体の工期を左右する一連の作業の連なりで、この経路上の作業が1日遅れると工期全体も1日遅れる、という重要な流れを指します。どの作業がクリティカルパス上にあるかを把握しておくと、遅れが出たときにどこを優先して手を打つべきかが判断しやすくなります。

遅れが発生したときの対応は、①後工程を前倒しできないか調整する、②人員・重機を増やして所要日数を短縮する(応援手配)、③並行できる作業を組み替える、といった手があります。ただし、無理な短縮は安全や品質の低下を招くため、応援手配や作業組み替えは現場の安全を最優先に検討します。遅れを早く検知するほど打てる手が増えるため、実績を日々工程表に反映することが肝心です。

  • クリティカルパス:全体工期を左右する作業の連なり。遅れると工期全体に影響
  • 遅れの対応:後工程の前倒し/応援手配で短縮/並行作業への組み替え
  • 安全優先:工期短縮のために安全・品質を犠牲にしない
  • 早期検知:実績を日々反映し、遅れを小さいうちに把握する

工程管理を効率化する方法|共有と更新の手間を減らす

表計算ソフトの工程表は作りやすい反面、更新と共有に手間がかかるのが弱点です。現場で変更が出るたびに事務所のファイルを直し、協力会社に配り直す運用だと、最新版がどれか分からなくなったり、更新が後回しになって実態とずれたりします。工程表は「更新して共有し続けられるか」が実用性を左右します。

効率化の方向性は、①関係者が同じ最新の工程表を見られるようにする、②現場の進捗(日報など)が工程に反映される流れをつくる、③変更を即座に共有できるようにする、の3つです。日々の進捗を記録する日報と工程表がつながっていれば、実績の反映漏れが減り、遅れの検知が早まります。日報の記録については「建設業の日報テンプレート無料|書き方と時短のコツ」も参考にしてください。

AXpress建設は、現場の日報・案件・工程を一つの流れでつなぎ、上位プランでは複数現場の横断的な工程管理にも対応する仕組みを提供しています。工程表の更新・共有に追われる中小建設会社の手間を軽くすることを狙っています。料金プランや機能の詳細は料金ページからご確認いただけます。

  • 最新版の共有:関係者が同じ工程表を見られるようにし、版のずれをなくす
  • 進捗の反映:日報などの実績が工程に反映される流れをつくる
  • 変更の即時共有:予定変更をすぐ関係者に伝えられるようにする
  • 横断管理:複数現場の工程をまとめて把握できると人員配置がしやすい

よくある質問

Q. 工程表はエクセルで作っても問題ありませんか?
A. 中小規模の現場であれば、表計算ソフトでバーチャート(ガントチャート)形式の工程表を十分に作成できます。行に作業、横に日付軸を並べ、期間のセルを色付けする基本形から始められます。ただし現場が増えたり変更が頻繁だと、更新・共有の手間や最新版の管理が課題になります。
Q. ガントチャートとネットワーク工程表はどう使い分けますか?
A. ガントチャート(バーチャート)は横棒で期間を示し、直感的で作りやすいため中小現場で主流です。ネットワーク工程表は作業同士の前後関係を明示でき、全体工期を左右するクリティカルパスの把握に向いています。まずはガントチャートで全体を組み、工程が複雑な場合にネットワーク工程表を併用するのが現実的です。
Q. クリティカルパスとは何ですか?
A. クリティカルパスとは、工事全体の工期を左右する一連の作業の連なりのことです。この経路上の作業が遅れると、工期全体がそのまま遅れます。どの作業がクリティカルパス上にあるかを把握しておくと、遅れが出たときにどこを優先して手を打つべきかの判断がしやすくなります。
Q. 工程に遅れが出たときはどう対応すればよいですか?
A. 後工程の前倒し、応援手配による所要日数の短縮、並行できる作業への組み替えなどが基本の対応です。ただし工期短縮のために安全や品質を犠牲にしないことが大前提です。遅れは早く検知するほど打てる手が増えるため、実績を日々工程表に反映し、小さいうちに気づくことが重要です。
Q. 工程表の更新や共有の手間を減らすにはどうすればよいですか?
A. 関係者が同じ最新の工程表を見られるようにし、現場の進捗(日報など)が工程に反映される流れをつくることが効果的です。日々の記録と工程表がつながっていれば実績の反映漏れが減り、遅れの検知も早まります。複数現場を横断して把握できる仕組みにすると、人員配置の調整もしやすくなります。
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